2月19日に経絡治療学会関東支部で膝痛について講義してきました。それについて少しまとめてみます。
膝が痛いと来院する患者さんに膝に関して聞いていくと、「水が溜まっているような感じがする。」「膝が腫れているような感じがする。」と言う人が多いです。左右の膝を比べると痛くない方の膝(以下、健側)も痛い方の膝(以下、患側)も少し腫れていることが多々あります。なぜ両方とも腫れてるのか。更に触診をしていくと、患側では膝の靱帯が少し緩くなっていたり、大腿部に硬結(コリ)があります。運動等をせずに靱帯が急に伸びたり、軟骨が急に擦り減ることありません。それ以外に痛くなった原因を考えてみましょう。
関節痛と湿邪
東洋医学では関節痛は湿の邪(湿邪)が大きく関係しています。
膝等の関節痛がある人が「明日、雨が降るよ」って言うと本当に雨が降るって話を聞いたことありませんか?あれは雨の前日に湿度が上がって自分の関節が痛みそう(もしくは痛い)だから分かるのです。蛙が雨の前日に水から上がるのと同じです。それが湿です。身体が元気だと湿が体内に入ってきても上手に対処してくれます。疲れていたりすると湿邪によって関節痛(膝痛等)の症状が表れます。
冷え性の人と胃腸が弱い人がなりやすい
膝痛で来院する人のほとんどが「冷え性の人」か「胃腸が弱い人」です。
まず、冷え性の人がなぜ関節痛になりやすいのか説明します。湿邪を水と考えてください。膝などの関節痛を治すにはその水を無くせばいいのです。例えば、熱したフライパンに水を入れると水は蒸発し無くなります。それと似たようなことを身体でやれば治ります。なので冷え性の人がなりやすいのです。
次に胃腸が弱い人について説明します。東洋医学では陽気(身体を温める気)の発散に大きく関与しているのは胃腸と考えられています。胃腸が弱り陽気で身体を温めることができずに水(湿邪)を乾かすことができずに関節痛を引き起こします。
もうお分かりかと思いますが、両者に共通するのは「身体が冷えている」ことです。
暑がりの人は冷えていることが多い
これは意外と思うかもしれませんが必然です。例えば、雪の中にしばらく手を入れてみて下さい。その手は段々と冷えていきます。そして雪の中から手を出すと不思議とその手は温かさを感じます。手は冷えているけど、温かい。それが身体全体で起きると暑さを感じやすい。暑さを感じやすいでの、汗をかきます。汗が止まらない人や必要以上に汗をかきやすい人、それは身体が冷えているからです。
暑がりが故に身体を必要以上に冷やすことを好み、結果冷えてしまっているが、冷えていることに気が付かない。これは太っている人に多いです。
治療について
胃腸等を整えて陽気を上手く発散させ、冷えを取り除き冷えにくい身体を体質改善として行います。暑がりの人は治療を頻繁に受けることをお薦めします。なぜなら日常的に冷やすことを好むので、すぐに身体を冷やしてしまいます。何事も冷えは禁物です!!